家づくり真っ只中のみなさん、間取り計画に迷っていませんか?
特にコンパクトな家となると、間取りの善し悪しが生活のクオリティに直結してしまいます。
間取りは家が建ってしまうと、変えられないもの。
狭くても快適に生活できる工夫を知りたいけど、何から調べれば良いかわからない方も多いことでしょう。
この記事では、26坪のコンパクトな平屋を建てた主婦が、小さくても不便に感じないためにやってよかったアイディアを8つお伝えします。
1.帰宅動線を考えた間取り
ウォークスルーシューズクローゼット&家族玄関
わが家は、ウォークスルーシューズクローゼット(以下シュークロ)から自宅に上がる家族玄関があります。シュークロがあることで、靴の収納量も問題なく、多少土間に靴が散らかっても玄関を開けて丸見えになることはありません。
また、玄関を上がってすぐの場所に、アウターをかけるハンガーパイプや、バッグ類・その他荷物を置くための収納棚があります。アウターやバッグの置き場が決まっているため、リビングで放置されることがないのです。そのおかげで、行き場のないバッグやアウターを横目に食事をする、なんてことからも解放されました。
玄関近くに洗面台
先ほどのシュークロを出たところには洗面台があります。わが家は、広さの都合上トイレ内に手洗いをつけなかったのですが、その結果、トイレとシュークロの間に洗面台を設置することとなりました。
これがとてもよかったのです。まず、帰宅後靴を脱ぐ→荷物を置く→手を洗う、と感染対策が取れます。また、お出かけ前のトイレ(子どもは特におでかけ前にトイレに行っておかないと大変!)においても、トイレを出る→手を洗う→荷物を持つ→靴を履く、とスムーズに出かけられるのです。
玄関からリビングを通らずに行ける脱衣室・浴室
玄関→洗面台が通常コースとなりますが、どうしても手を洗うだけでは足りない状況も出てきます。(わが家の場合は、保育園帰りの子どもたちの泥汚れ、ランニング帰りの汗だくな夫など) それらに備えて、洗面台・トイレを過ぎた奥に、脱衣室・浴室を設置しました。
汚れた状態でリビングに入ってきてしまうことが怖かった私は、この間取りに大満足。子どもたちも、おもちゃやテレビなど誘惑するものを目線に入れずに浴室に直行できるので、とても助かっています。
2.洗濯動線を考えた間取り
脱衣兼ランドリールーム
洗濯物は外干ししないと決めたわが家。ドラム式洗濯乾燥機と、少しの部屋干しで済むため、脱衣室とランドリールームを兼用することにしました。脱いだ衣類は洗濯かごに入れておけば、ゼロ距離で洗濯機に投入できます。また、室内物干し(うちは川口技研のホスクリーンを採用)を設置し、その場で干すことも可能です。
脱衣兼ランドリールームから直結するファミリークローゼット
乾燥した衣類は、収納しなければなりません。洗濯物をしまうにも、「畳む→収納場所へ持っていく→収納」とやることはいっぱい。収納場所がバラバラであれば、余計に手間も増えてしまいます。
そのため私が考えたことは2つ。
- なるべく畳まない
- 収納場所はしぼる
下着・タオル類、子どものズボンなどは畳んで収納していますが、それ以外は基本的に掛ける収納にしています。そして、ランドリールームの隣にファミリークローゼットを設置し、数歩の移動ですべての衣類が収納できるようにしました。下着・タオル類に関しては、脱衣室に収納ボックスを設置してゼロ距離を実現。移動が少ないだけでこんなにも楽になるのかと、実感しているところです。
3.回遊動線
うちはとっても小さな平屋。そのため、狭さを感じないことを目的に回遊できる間取りにしてもらいました。詳細な間取りはお伝えできませんが、だいたいはこんな感じです。

行き止まりがないことで、狭く感じにくいと思います。また、目的の場所に近い方の道から行くことができるようになりました。
さらにもう一つうれしいことは、子どもたちにとって格好の遊び場となってくれたことです。延々と走り回って体力を消耗してくれるため、外に出かけられない日はとても助かっています(笑)
4.フレキシブルな間取り
子ども部屋は完全オープン
これは好みが分かれるかと思いますが、わが家の子ども部屋はリビング・ダイニングとくっつけて、完全オープンになっています。扉を付けないとか、開けているとかのレベルではなく、壁すらも設けておりません。LDKと一つの空間として存在している状況です。
なぜ、仕切らなかったのか?
理由は2つあります。
1つ目は、子どもがまだ小さく個室を必要としていないためです。小さな平屋では使わない部屋に場所をさけるほどの余裕はありません。また、建築士さん曰く「小さな子どもって、お母さんが見える場所じゃないと遊ばないんですよね」とのこと。この言葉にもその通りだなと、ハッとさせられました。
2つ目は、LDKを広く使いたいからです。一番長く過ごす部屋をなるべく心地よい空間にしたかったため、個室が必要になるまでの間は、広い一つの空間として利用することにしました。
個室が必要になった場合はどうする?
子どもが個室を希望した際には、いくつかの選択肢を用意しています。
- 壁を作り仕切る
- 床と天井で突っ張るタイプの棚やパーテーションで仕切る
- 家具で仕切る
これは、2人とも個室が欲しいのか、上の子だけなのかによっても変わってきます。子どもたちも、進学のタイミングで家を出る可能性だってあるわけですし、いつ誰がどんな部屋を望むかは、未知数です。そのため、最初から作りこみすぎず、後から変化できるゆとりを持たせました。
例えば、寝室を子ども部屋として充てて、子ども部屋予定の場所にパーテーション等を付けて簡易寝室とすることもできますし、一部屋だけ壁で個室を作り、残り一部屋分はリビング続きの空間として残しておくことも可能です。最近では、部屋を仕切るための家具も発売されており、そういったものも選択肢の一つと考えています。
あらゆる可能性を持たせた間取りにしたため、その都度わが家の最適解を求めて変化させていく予定です。
5.寝室にクローゼットなし
これまで住んできた賃貸住宅は、必ず寝室にクローゼットがついていました。当たり前すぎて何も思っていなかったのですが、よくよく考えると不便なことが多かったなと気づいたのです。
- 寝ている家族がいると、クローゼットを使うのに気をつかう
- わざわざ寝室に着替えを取りに行かなければならない
小さい子どもがいるわが家は、子どもたちの就寝後にクローゼットを使いたいときにとても気をつかいます。起こさないように、音や光に気を付けるため、とても大変でした。
また、就寝後でなくとも、わざわざ寝室まで着替えに行ったり、洗った洗濯物を収納しに行くことに、小さなストレスを感じていました。
そもそも、衣類の収納は寝室にあるべきだと誰が決めたのでしょう?私は、寝室は寝るだけで十分だと思います。衣類は長く過ごす場所の近くに収納することで、着替えのための移動や、衣類収納のための移動を減らせるのです。
おかげで、子どもたちが寝た後の寝室に用事はなくなり、起こさないよう気をつかうこともなくなりました。
6.ファミリークローゼット

寝室にクローゼットを設けなかったため、ファミリークローゼット(以下ファミクロ)を作り、そこにまとめて収納しています。わが家のファミクロは間取りの都合上、当初の予定よりも広く作れたため、納戸も兼ねることになりました。家族全員の衣類に加え、布団や季節の家電などの収納もでき、あまったスペースにパソコンを置いて、おこもりスペースとしても活躍しています。
7.パントリー

小さい家なので、初めはパントリーを作ることを諦めていました。しかし、小さい家だからこそ、LDK部分を広くすっきり見せるためにも、パントリーが必要ではないかと考えたのです。
空間を広く見せるために、キッチンはフルフラットの調理台にしており、キッチン背面収納も、腰の高さまでの食器棚になっています。そのため、食品や使用頻度の低い調理器具をパントリーに収めることで、すっきりした空間づくりが可能となりました。
また、子どもたちが食べ盛りになる今後を見据え、小型冷凍庫が置けるようコンセントも設置してあります。小さい空間ではありますが、天井近くまで可動棚を設置できるので、収納量はそれなりに確保できました。パントリーのように「しっかり収納する場所」と、リビングのように「物を置かずにすっきりさせる場所」のメリハリをつけたことが、高い満足度につながったと思います。
8.勾配天井
間取りとは少し違うかもしれませんが、早い段階で決めておかないといけないため、ここで紹介します。
やはり、小さな平屋を少しでも広く開放的に見せることが大きな目的です。家自体がコンパクトなので、せめてリビングだけは開放的にしたいと夫婦で考え、勾配天井を取り入れました。わが家はそれにコーブ照明(※1)をプラスして天井に奥行感を持たせ、空間の広がりを感じる空間を作っています。
夜は勾配天井の間接照明だけでゆるやかな明かりを灯して過ごすこともできます。空間の広がりとリラックスできる明るさを確保することができ、就寝前のリラックスタイムを楽しむことができるようになりました。
※1 コーブ照明:天井を光らせることで室内を明るくする間接照明の一種。明るい光が壁面をグラデーション状に照らすことで、広い空間に感じられるという特徴がある。
まとめ
以上、小さな平屋だからこそ、やってよかったと感じた間取りをご紹介しました。
建築費等を気にせず広い家が建てられるなら、それに越したことはありません。しかし、多くの方は、限られた予算の中で、最大限理想に近づけようと頑張っているのではないでしょうか。そのためには、それぞれのライフスタイルに合った間取りが必要です。逆に言うと、ライフスタイルに合った理想の間取りが手に入れば、家の大きさはあまり気にならなくなります。
みなさんが、素敵な家を建てられるよう、少しでもお役に立てたらうれしいです。
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